第113章 仮病

ランティンの実店舗もまた、熱狂の渦に叩き込まれた。

かつては締め出しの影響で客足が途絶え、埃をかぶっていた店内。いまやどの店舗も長蛇の列で、入口の敷居が擦り減る勢いだ。

客たちが目当てにしているのは、水野佑奈という個人の知名度ではない。

試されても折れない、そして社会的責任を背負うブランド――ランティン、そのものだった。

スタッフは文字どおり足が地につかない。接客しながらも、弾んだ声で報告が飛ぶ。

「もう、品切れになってた型すら取り合いです! 在庫、根こそぎ持っていかれました!」

株価も連動するように右肩上がり。時価総額は跳ね、抑えつけられていた影を完全に振り切って、かつてない輝...

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